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■デジタル用語辞典:

■ 付録 ■

●IPアドレスで、クラスA、B、Cの見分け方を教えて頂き
 ました。例えばクラスAなら123.xxx.xxx.001との事ですが、
 中間の部分は000.000.となるのでしょうか?
 もしソウデハナイのでしたら何を意味するのでしょうか!!

●私のPCでは、誰かにpingをしてからarp -aを実行してもMAC
 アドレスの欄に全て自分(NIC)のMACアドレスが表示され、
 pingの実行先のMACアドレスが表示されません。なぜでしょ
 うか?

講座「盗聴 Part4」のAddress Resolution Protocolの説明に
対する質問です。
この講座を読んでいない、または忘れてしまったという方は、
こちらで復習できます。
>>>academy001-026.htm

質問1:
 私のPCでは、誰かにpingをしてからarp -aを実行してもMAC
 アドレスの欄に全て自分(NIC)のMACアドレスが表示され、
 pingの実行先のMACアドレスが表示されません。なぜでしょ
 うか?

回答:
この質問の回答は長くなってしまいましたが、分かれば役に立
つと思われるので他の方も読んでおいた方が良いと思います。

まず、以前に紹介した図をもう一度見てみましょう。

●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
                      ̄            ̄
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │私宛ての
└─┬─┘ データ   └──┬┘ データ   └───┘データです。
  ↓ 宛先IP:55.66.77.88↑ ↓ 宛先IP:55.66.77.88↑   
  │ 宛先MAC:     │ │ 宛先MAC:     │   
  │ 00-00-00-00-00-02 │ │ 00-00-00-00-00-03 │   
  │          ̄ │ │          ̄ │   
  └─→──→──→──┘ └─→──→──→──┘   

この図は「通常のデータ」をデータ受け取る人に対して送信し
ている図です。

このネットワーク構成で「MACアドレス教えて」とARP(Address
Resolution Protocol)を行なってみたとします。

以下に「データ送る人」が「データ受け取る人」に対してARP
を行なっている図を示します。

●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└─┬─┘       └──┬┘       └───┘ 
  ↓ MACアドレス教えて ↑ ↓ MACアドレス教えて ↑   
  │ 宛先IP:55.66.77.88│ │ 宛先IP:55.66.77.88│   
  │ 宛先MAC:     │ │ 宛先MAC:     │   
  │ FF-FF-FF-FF-FF-FF │ │ FF-FF-FF-FF-FF-FF │   
  └─→──→──→──┘ └─→──→──→──┘   

ARPなので宛先MACアドレスはブロードキャストアドレス(FF-
FF-FF-FF-FF-FF)です。
ブロードキャストアドレスというのは全てのコンピュータに対
してデータを送出する時に使用されるものでした。

この宛先「MACアドレス」でデータを受けた全てのコンピュー
タは、いったんこのデータを受け取ります。
その後、宛先「IPアドレス」をチェックして、自分宛のIPアド
レスの時は応答を返してあげます。

この事を言い換えると、
「全てのコンピュータはデータを受け取る」
「全てのコンピュータは宛先IPアドレスをチェックする」
という「処理を行う」という事です。

つまり、ARPは他の全てのコンピュータに処理を行なわせてし
まうプロトコルなのです。
さらに、全てのコンピュータにデータが送られるので、回線に
負荷をかけてしまうとも言い換える事が出来ます。


上の例ではデータ送る人とデータ受け取る人の間に「ルータ」
が1台しかありませんが、実際にはもっとたくさん存在してい
る事の方が多いです。

例えば、データ送る人が日本にいるとします。
データ受け取る人がイギリスにいるとします。
データを正常なルートに振り分けてあげる役割を担う「ルータ」
はデータ送る人とデータ受け取る人の間に何台あるのでしょう
か?

かなりの数になる事は容易に想像が付きます。
その全てのコンピュータが世界中の誰か一人がARPを行なう度
にいちいち処理を行っていてはネットワーク全体に対して大変
な負担となってしまいます。

また、MACアドレスというものは「近くにある」2台のコンピ
ュータで使われるものである事を以前説明しました。

「近くにある」2台のコンピュータで使われるものなので、離
れた場所にあるコンピュータに対してARPを行なっても、意味
がありません。離れた場所にあるコンピュータのMACアドレス
を知っていても使い道が無いわけです。



という事で、上の図の様な事が行なわれる事はありません。
代わりに別の方法がとられます。それを今から解説します。

まず、図を見てもらった方が分かりやすいでしょう。
先ほどと同じネットワーク構成で「データ送る人」が「データ
受け取る人」に対してARPを行なっている図を示します。
データ送る人とルータは会社Aに属している事を意識しながら
見てください。

●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└─┬─┘       └──┬┘       └─┬─┘ 
  ↓ MACアドレス教えて ↑ │          │   
  │ 宛先IP:55.66.77.88│ │          │   
  │ 宛先MAC:     │ │          │   
  │ FF-FF-FF-FF-FF-FF │ │          │   
  └─→──→──→──┘ └──────────┘   

「ルータ」から先へARPの問い合わせが出ていませんね。
これは、ルータが「宛先IPアドレス」を見て、会社Aの外への
ARPだと判断して、会社Aの外へデータを出さないようにして
いる為です。

ARPの問い合わせを会社Aの外に出してしまうと他のネットワ
ーク上の全てのコンピュータに処理を行なわせてしまう事にな
り、迷惑がかかってしまうのです。

では、このARPの問い合わせの返事は一生返って来ないのでし
ょうか?

返事は返ってきます。
下の図を見てください。

●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└───┘       └┬─┬┘       └─┬─┘ 
  ↑ IP:55.66.77.88  ↓ │          │   
  │ のMACアドレスは  │ │          │   
  │ 00-00-00-00-00-02 │ │          │   
  │ です。      │ │          │   
  └─←──←──←──┘ └──────────┘   

このように「ルータ」が代わりに返事を返してあげます。

本来「データ受け取る人」がARPの問い合わせを受けて、返事
を返すはずなのですが、代わりに「ルータ」が行なってくれて
います。
この事を「代理ARP」といいます。

この時、返信されたMACアドレスが「00-00-00-00-00-02」とな
っている事に気が付いた方がいるかもしれません。

これは「データ受け取る人」のMACアドレスではなく「ルータ」
のMACアドレスです。

ルータは嘘をついているのでしょうか?

そうではありません。

先ほど書いたように、MACアドレスというものは「近くにある」
コンピュータのものが分かれば良いので、ルータのMACアドレ
スが分かれば充分なのです。

何故、「近くにある」コンピュータのものが分かれば充分なの
か、分からなくなってしまった方はもう1度こちらの講座を読
んでみてください。
>>> http://home.netyou.jp/gg/ugpop/academy001-025.htm


さて、ここで久しぶりに会社Xに登場してもらいましょう。
会社Xも上の図のルータにつながっているものとします。


●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└─┬─┘       └┬┬┬┘       └─┬─┘ 
  │          │││          │   
  │          │││          │   
  │          │││          │   
  │          │││          │   
  └──────────┘│└──────────┘   
              │         ●会社X  
              │        データ受け取る人
              │        IP:99.99.99.99
              │        MAC:00-00-00-00-00-04
              │         ┌───┐ 
              │         │   │ 
              │         └─┬─┘ 
              │           │   
              └───────────┘   


会社XのIPアドレスは99.99.99.99であるとします。
またMACアドレスは00-00-00-00-00-04であるとします。

ここで、会社Xと「通信を行なう為の」MACアドレスを求める
為にARP問い合わせを行ないます。


●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└─┬─┘       └─┬┬┘       └─┬─┘ 
  ↓ MACアドレス教えて ↑││          │   
  │ 宛先IP:99.99.99.99│││          │   
  │ 宛先MAC:     │││          │   
  │ FF-FF-FF-FF-FF-FF │││          │   
  └─→──→──→──┘│└──────────┘   
              │         ●会社X  
              │        データ受け取る人
              │        IP:99.99.99.99
              │        MAC:00-00-00-00-00-04
              │         ┌───┐ 
              │         │   │ 
              │         └─┬─┘ 
              │           │   
              └───────────┘   


「ルータ」から先へARPの問い合わせが出ていません。
これは、ルータが「宛先IPアドレス」を見て、会社Aの外への
ARPだと判断して、会社Aの外へデータを出さないようにして
いる為です。

では、返事はどのように返るのでしょうか?


●会社A                    ●会社B  
データ送る人       ルータ      データ受け取る人
IP:11.22.33.44    IP:11.22.33.01     IP:55.66.77.88
MAC:00-00-00-00-00-01 MAC:00-00-00-00-00-02 MAC:00-00-00-00-00-03
┌───┐       ┌───┐       ┌───┐ 
│   │       │   │       │   │ 
└───┘       └┬┬┬┘       └─┬─┘ 
  ↑ IP:99.99.99.99  ↓││          │   
  │ のMACアドレスは  │││          │   
  │ 00-00-00-00-00-02 │││          │   
  │ です。      │││          │   
  └─←──←──←──┘│└──────────┘   
              │         ●会社X  
              │        データ受け取る人
              │        IP:99.99.99.99
              │        MAC:00-00-00-00-00-04
              │         ┌───┐ 
              │         │   │ 
              │         └─┬─┘ 
              │           │   
              └───────────┘   


代理ARPにより「ルータ」が代わりに返事を返してあげます。
この時返信されたMACアドレスは「00-00-00-00-00-02」となり、
ルータのMACアドレスが返ります。

MACアドレスは「近くにある」コンピュータのものが分かりさ
えすれば良いのでこれで充分なのです。



ここまで分かっていただけたところで、ご質問者の質問をもう
1度見てみましょう。

質問:
 私のPCでは、誰かにpingをしてからarp -aを実行してもMAC
 アドレスの欄に全て自分(NIC)のMACアドレスが表示され、
 pingの実行先のMACアドレスが表示されません。なぜでしょ
 うか?

MACアドレスが同じになってしまうという御質問です。
しかもMACアドレスは全て自分のコンピュータの物をさしてい
るという事です。

この事から、ご質問者のコンピュータは代理ARPの機能を
備えたルータである事が分かります。

UNIXで使用するARPコマンドには、通常のARPコマンドで表示す
る物以外に、代理ARPで使用する為の情報も表示されます。

以下にUNIX上でARPコマンドを行なった場合の応答例を示しま
す。(環境によりこのように表示されない場合もあります。)


Net to Media Table
Device IP Address Mask Flags Phys Addr
------ -------------------- --------------- ----- ---------------
hme0  55.66.77.88     255.0.0.0    SP  00:00:00:00:00:02
hme0  99.99.99.99     255.0.0.0    SP  00:00:00:00:00:02
                           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

IPアドレスは異なっているのに下線部のMACアドレスの部分が
同じになっています。
このMACアドレスはルータのMACアドレスです。

もう1箇所注目してください。
「Flags」という部分です。ここが「SP」となっています。
「S」というのは、STATICの「S」です。
このフラグが付いているという事は、管理者が静的に設定を行
ったという事です。
つまり、「このIPアドレスに対応するMACアドレスはこれこれ
だよ。」と、管理者がコマンドを1つ1つ入力して設定したと
いう事です。

また、「P」というフラグも付いています。
これはProxy(代理)の「P」です。
このフラグが付いているという事は、代理ARPを行なう為の情
報であるという事です。

つまり、この情報を見ると、例えばIPアドレス55.66.77.88の
コンピュータへのARP問い合わせがあった場合に、代理でこの
コンピュータがMACアドレス00:00:00:00:00:02で応答を返すと
いう設定が行われている、という事が分かります。

同じように、例えばIPアドレス99.99.99.99のコンピュータへ
のARP問い合わせがあった場合に、代理でこのコンピュータが
MACアドレス00:00:00:00:00:02で応答を返すという設定が行わ
れている、という事が分かります。

このようにしてarpコマンドの応答が、異なるIPアドレスで同
じMACアドレスとして表示されるのです。

以上で回答は終わりです。
何故ARPコマンドでMACアドレスが同じものとなってしまうのか
ご理解いただけたでしょうか。








質問2:
●IPアドレスで、クラスA、B、Cの見分け方を教えて頂き
 ました。例えばクラスAなら123.xxx.xxx.001との事ですが、
 中間の部分は000.000.となるのでしょうか?
 もしソウデハナイのでしたら何を意味するのでしょうか!!


回答:
クラスAのIPアドレスが、例えば123.xxx.xxx.xxxである場合、
xxxの部分はそれぞれ0〜255の値をとります。
そしてその値はネットワーク管理者が決めた値です。

IPアドレスのネットワークIDについては以前説明しました。
ちょっと復習してみましょう。

IPアドレスの1番左の部分を見るとそのIPアドレスの種類が分
かるのでした。

 xx.xx.xx.xx
  ̄
 ↑
 ここを見る。

この下線部分が

  0〜127の時:クラスAのIPアドレス
128〜191の時:クラスBのIPアドレス
192〜223の時:クラスCのIPアドレス

というのでした。
そして、それぞれのクラスについて「ネットワークID」の長さ
が異なるのでした。

 クラスAの時は

 xx.xx.xx.xx
  ̄
 ↑
 ネットワークID


 クラスBの時は

 xx.xx.xx.xx
  ̄ ̄ ̄
 ↑
 ネットワークID


 クラスCの時は

 xx.xx.xx.xx
  ̄ ̄ ̄ ̄
 ↑
 ネットワークID

となるのでした。

このネットワークIDを見るとそのIPアドレスのコンピュータは
どこに属しているのかが分かるのでした。

例えば、IPアドレスが11.22.33.44のコンピュータは

 11.22.33.44
  ̄
 ↑
 ここを見る。

1番左端は11です。0〜127の間なのでクラスAのIPアドレ
スだと分かります。

次にネットワークIDを見てみます。
クラスAのネットワークIDは以下の様になります。

 11.22.33.44
  ̄
 ↑
 ネットワークID

ネットワークIDは11だと分かります。

ここで、もう1つ別のコンピュータがあるとします。
そして、そのコンピュータのIPアドレスは55.66.77.88である
とします。

先ほどと同じようにしてネットワークIDを求めてみます。

 55.66.77.88
  ̄
 ↑
 ここを見る。

1番左端は55です。0〜127の間なのでクラスAのIPアドレ
スだと分かります。

次にネットワークIDを見てみます。
クラスAのネットワークIDは以下の様になります。

 55.66.77.88
  ̄
 ↑
 ネットワークID

ネットワークIDは55だと分かります。

先ほどのコンピュータと今見てみたコンピュータのネットワー
クIDが異なるのでこのコンピュータは別の組織に属していると
いう事が分かるのです。

今回はネットワークID以外の部分、

 クラスAの時は

 55.66.77.88
    ̄ ̄ ̄ ̄
   ↑
   ここは何?


 クラスBの時は

 128.66.77.88
     ̄ ̄ ̄
    ↑
    ここは何?


 クラスCの時は

 192.66.77.88
       ̄
      ↑
      ここは何?


という事について解説を行ないます。



最初に答えから言うと、上の図の下線部分は「ノードID」とい
います。

ノードIDは、ネットワークID配下に属しているコンピュータの
IDを示します。

そしてその値はネットワーク管理者が決めた値となります。

ネットワーク管理者が決めた値というと、例えば、「窓際にあ
るコンピュータは1番ね。」とか、「花瓶の横にあるコンピュ
ータは2番ね。」とかそのネットワークの管理者が決めた値で
す。(こんないい加減な決め方をする管理者はほとんどいませ
んが・・(^^;)

ご質問のIPアドレス123.xxx.xxx.xxxを例にします。

     123.xxx.xxx.xxx
     ~~~
     ↑ 
ネットワークID
       

ネットワークIDは123です。このネットワークID123は会社Aを
表すものとします。

ネットワークID以外のxxxの部分はノードIDといいます。
このxxxはそれぞれ0〜255の値をとります。

     123.xxx.xxx.xxx
       ~~~ ~~~ ~~~
       ↑ ↑ ↑
      0〜255│ │
         │ │
        0〜255│
           │
          0〜255

例えばIPアドレスが123.000.000.001のコンピュータは会社A
に属していて、ノードIDが000.000.001のコンピュータという
事がいえます。
また、IPアドレスが123.11.22.33のコンピュータは会社Aに属
していて、ノードIDが11.22.33のコンピュータという事がいえ
ます。

ネットワークIDが同じなので、ノードIDの部分が異なっていて
もそのコンピュータは同じ会社や団体等に属している事が分か
るのです。

ノードIDは会社Aのネットワーク管理者が適当に割り振って付
ける事が出来るのですが、このようにノードIDを見ていった場
合、123.000.000.001〜123.255.255.254まで、ノードIDは全部
で1677万7214個もあります。
つまり会社Aの中に1677万7214台もコンピュータを設置できる
という事です。
しかし、これを会社Aで一元管理する事は非常に面倒です。

その為、会社Aのコンピュータを複数の「部門」毎に分けて管
理する方法があります。


 123.11.22.33
    ̄ ̄ ̄ ̄
   ↑
   ノードID
    ̄ ̄ ̄ ̄
     ↑
     これをさらに部門毎に分ける。


部門毎に分けるといっても、具体的にはどうするのでしょうか?

それには「サブネットマスク」という物を使います。

例えば、サブネットマスクに255.255.255.0という物を使うと
します。
これを2進数で表現すると

11111111.11111111.11111111.00000000

という事になります。
(2進数の知識が無い方には理解する事は難しいと思いますが、
数字の表現方法を変えるとこうなるのだな、と思ってください。)

また、先ほど例に出た会社AのIPアドレス123.11.22.33を2進
数で表現すると、

01111011.00001011.00010110.00100001

になります。

これに先ほどのサブネットマスクを当てはめてみます。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.00000000
(255.255.255.000)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)    ̄ ̄ ̄ ̄
            ↑
       ネットワークID


ネットワークID以外の部分で、サブネットマスクが「1」とな
っている部分の事を「サブネットID」といいます。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.00000000
(255.255.255.000)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)         ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ↑
                 ネットワークID以外で
                 サブネットマスクが1の部分
                 =サブネットID


このサブネットIDを使用する事により会社Aの中の各「部門」
を表す事が出来ます。
この場合のサブネットIDは「11.22」となります。

では残りの部分は何と言うでしょうか。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.00000000
(255.255.255.000)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)                  ̄ ̄ ̄ ̄
                          ↑
                         ホストID


「ホストID」といいます。
ホストIDは各「部門」の中にあるコンピュータを示す為のIDで
す。この場合のホストIDは「33」となります。


このようにすると、会社Aの中の1つの部門には最大でも254
台しかコンピュータが存在しない事になるので、管理し易くな
るのです。

以上の事をまとめた物を以下に示します。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.00000000
(255.255.255.000)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)    ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
            ↑    ↑        ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID
               │             │
               └─────────────┘
                    ノードID


もちろん、ここで示したIPアドレスやサブネットマスクは1つ
の例にすぎません。

ですのでサブネットマスクが、

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11110000
(255.255.255.240)

となっていたり、

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)

となっているコンピュータも環境によってはあるでしょう。

ちなみにこの場合のクラスA IPアドレス123.11.22.33のサブ
ネットID、ホストIDを以下に示します。


●サブネットマスクが255.255.255.240の場合

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11110000
(255.255.255.240)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)    ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄==
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID


この場合のサブネットIDは「11.22.32」、ホストIDは「01」と
なります。


●サブネットマスクが255.255.255.192の場合

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00100001
(123.11.22.33)    ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄===
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID


この場合のサブネットIDは「11.22.00」、ホストIDは「33」と
なります。



さて、この例では「会社」とか「部門」とかの表現を使いまし
たが、これはあくまで1例にすぎません。

ネットワークIDで表される部分は会社だけでなく、学校だった
り、財団法人だったり、政府機関だったりします。
サブネットIDで表される部分も、「部門」だったり「課」だっ
たり「学年」だったりさまざまです。
ネットワーク管理者がどういう分け方をするかさまざまなパタ
ーンがあるからです。

ここで1つ注意してほしい事があるのですが、サブネットIDと
ホストIDはALL0という値になったり、ALL1という値になったり
すると、別の意味になってしまいます。

ホストIDをALL1としてデータを送信した場合、その部門に属し
ている全てのコンピュータに対してデータが届けられます。

例えば先ほどの例で部門IDが「11.22.00」の部門に属している
全てのコンピュータに対してデータを送信したい場合は以下の
様にします。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00111111
(123.11.22.63)    ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄===
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID
                         をALL1にする。


ホストIDのビットをALL1としました。
この時のホストIDは「63」ですが、ホストIDのビットがALL1な
ので、この部門に属している全てのコンピュータはこのデータ
を受け取ります。


次にサブネットIDとホストIDがALL1である場合の例を示します。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)
クラスAのIPアドレス:01111011.11111111.11111111.11111111
(123.255.255.255)   ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄===
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID
                 をALL1にする。 をALL1にする。


サブネットIDとホストIDのビットをALL1としました。
この時のノードIDは「255.255.255」です。ノードIDがALL1な
ので、この会社に属している全ての部門と全てのホストコンピ
ュータはこのデータを受け取ります。

このように、ホストIDをALL1にしたり、サブネットIDをALL1に
したりしてその部門や会社に属しているコンピュータ全体にデ
ータを送信する事を「ブロードキャスト」といいます。


今度は逆に、サブネットIDやホストIDがALL0である場合の説明
をします。

まず、ホストIDがALL0となっている場合です。


サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)
クラスAのIPアドレス:01111011.00001011.00010110.00000000
(123.11.22.00)    ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄===
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID
                         をALL0にする。


これは、その部門の特定のホストを表すのではなく、その部門
自身を表します。

これは主にルータがデータを正常なルートに振り分けてあげる
際に使われるアドレスです。
特定のホストを示しているわけではないので「ネットワークア
ドレス」とも呼ばれます。

次にサブネットIDとホストIDがALL0である場合の例を示します。

サブネットマスク  :11111111.11111111.11111111.11000000
(255.255.255.192)
クラスAのIPアドレス:01111011.00000000.00000000.00000000
(123.000.000.000)   ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄===
            ↑    ↑         ↑
       ネットワークID   サブネットID  ホストID
                 をALL0にする。 をALL0にする。


これは、その会社の特定のホストを表すのではなく、その会社
自身を表します。

これも主にルータがデータを正常なルートに振り分けてあげる
際に使われるアドレスです。

以上、かなり長くなってしまいました&難易度が高くなってし
まいましたが質問コーナーを終わります。
非常に長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった
方、ありがとうございました。



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